第371章 彼女を義姉と呼ぶ

「お前なぁ、よくやるよ。同じバッグを二つ買って、それぞれ別の女に贈るだなんて。それじゃまるで、あの梨本雲に佐藤愛をいじめさせたいと言ってるようなもんじゃないか」

 桐谷遠が佐藤愛を呼び捨てにしたのを聞き、北村辰は無性に腹が立った。

 彼は受話器を握りしめ、表情を氷のように冷たくして言い放つ。「これからは、義姉さんと呼べ……」

「ゴホッ、ゴホッ……」

 桐谷遠は盛大にむせ返った。

 通話を切り、北村辰は固く閉ざされたドアを見つめた。佐藤愛が今、怒り心頭であることは分かっている。このままドアを叩き続けても、彼女の怒りを鎮めるどころか、逆に嫌われるのがオチだろう。

 そう判断し、北村辰...

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