第385章 賠償

 中村美緒は慌てて姉をなだめ、目配せをした。

「お姉さん、怒らないで……何しに来たか忘れたの?」

「北村のお義父様のことを考えて。それに、お姉さんの名義になっている会社のことも」

 中村美緒の言葉は効果てきめんで、中村純子の荒ぶる感情を押し留めた。

 彼女は長く息を吐き出し、込み上げる怒りをどうにか抑え込む。

「いいでしょう。私の制御を受け付けないと言うのなら、見せてもらうわ。あなたが最後まで笑っていられるか、そして北村家の『若奥様』になれるかどうかをね」

 中村純子の捨て台詞を聞き、佐藤愛はただ笑みを浮かべるだけで何も言わない。

「おば様、北村家の若奥様になれるかなんて、私に...

ログインして続きを読む