第391章 彼らは意気投合した

 聞き覚えのあるその声に、佐藤愛は一瞬、眩暈でもしたかのように足元をふらつかせた。

 大人である彼女も、隣に立っている夏川伊智も、今この部屋の中で何が行われているのか、痛いほど理解できてしまったからだ。

 北村辰といえば、家柄も良く、顔もいい。金もある。普段は清廉潔白な紳士として振る舞い、ビジネス界における高嶺の花とも呼べる存在だ。そんな彼が、まさかこんな下世話な真似をするなんて。

 愛は両の拳を、きつく握りしめた。

 爪が掌に食い込む感覚さえ、今の彼女には痛みとして感じられなかった。

 愛の様子を見た伊智が、慌てて彼女を諌める。

「愛、もう行こうよ……中はきっと、何かの誤解だっ...

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