第421章 佐藤愛と結婚したいのか?

 北村辰の言葉を聞き、桐谷遠はしばし沈黙した。

 佐藤愛を異性として意識したことなど、これまで一度もなかった。何しろ、初めて会った時は「なんて醜い女だ」としか思わなかったのだから。

 だが、接点が増えるにつれ、彼は佐藤愛の美点に次々と気づかされていった。

 決定的だったのは、誰からも見向きもされなかった彼の新エネルギー事業に、彼女がポンと巨額の投資をしてくれた時だ。

 誰もが失敗すると笑ったプロジェクトに、佐藤愛だけが資金を出してくれた。その瞬間、彼女への見る目が変わったのだ。

 しかし当時、彼女はすでに北村辰と親密な関係にあり、従弟である自分が従兄の恋路を邪魔するわけにはいかなか...

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