第427章 世論

「私が何を言おうと、いちいち報告書でも提出して許可を取らなきゃならないわけ?」

「北村隆夫、私のことに干渉しないでちょうだい」

 中村純子は、夫である北村隆夫に対して強烈な敵意をむき出しにしていた。目の前に立つ、相変わらず若々しい男の姿を目にして、彼女の胸中は複雑に千千に乱れていた。

 もはや、この男を愛しているのか、それとも憎んでいるのかさえ、自分でも判然としない。

 ただ一つ確かなのは、離婚などしたくないし、この男を他の女に触れさせるのも我慢ならないということだ。だがその一方で、他所の女と寝た男を受け入れることなど、生理的に無理だった。

 中村純子の心は、矛盾した感情の渦の中に...

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