100. まだどっちが騙すかわからない

石原絵梨花は足を止め、振り返って石原七緒を見た。視線には、あからさまな「理解できない」が滲んでいる。

その目つきが気に障ったのか、七緒が眉をひそめる。

「……何よ、その目。私をそんなふうに見て」

絵梨花は昔から思っている。石原の人間は、考えていることがいちいち理解しがたい。理解する気もないし、する必要もない。今も同じだ。

「前に、もう合意したはずだよね。今後はお互い関わらないって。……違ったみたいだけど」

絵梨花は鼻で笑う。声は澄んでいて、冷たい。

「そもそも、どこからその自信が湧くの? あなたたちが会いたいって言えば、私がわざわざ時間を作って会いに行くとでも思ってる?」

七緒...

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