125.君は知らないのか

石原絵梨花がレジまで行って会計を済ませ、店の外へ出ていくのを見送ってから、石原七緒はようやく――遅れて、彼女の言葉の意味を理解した。

瞬間、顔が怒りで歪む。七緒は踵を返し、そのまま店の外へ飛び出した。

だが外に出た時には、もう石原絵梨花の姿はどこにもない。

「石原絵梨花っ!」

七緒は手に提げた袋を叩きつけてやりたくなった。けれど、ふと視界の端に、見覚えのある生徒たちが数人歩いてくるのが映る。

――まずい。

怒りが一瞬、喉元で止まった。七緒は歯を食いしばり、無理やり飲み込む。

来たのは三高の生徒で、しかも七緒の隣のクラスの子たちだった。

彼女たちは七緒を見つけると、親しげに声を...

ログインして続きを読む