130.君は誰を支えるのか

松岡友希が姿を現した、その瞬間だった。

周囲のざわめきが、まるで再生ボタンを止められたみたいに――ふっと、消えた。

誰も松岡友希を知らない。だが、それは驚かない理由にはならない。

突然現れた、整いすぎた顔立ち。空気を変えるほど際立つ気配。

芸能人だって、彼の前では色褪せるんじゃないか。そんな錯覚すら起こさせる若い男だった。

一方で、部屋にいたスタッフは松岡友希を知っていた。

彼の姿を見た途端、顔から血の気が引き、固まる。

しかも次の瞬間、扉の外からどっと五、六人が雪崩れ込んできた。

大会主催側の幹部連中だと分かった途端、スタッフたちの動揺はさらに跳ね上がる。

――選手がやけ...

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