144.き、き、君は……どうして何ともないんだ?

石原絵梨花は書斎で、夜が更けるまで過ごした。

そして最後に、自分のアカウントへログインし――その依頼を、自分の手で断った。

理由は単純だ。石原絵梨花は以前、ある人物に約束していた。十八年前、あの場所で起きたことを、二度と掘り返さないと。

たとえ松岡友希からの依頼でも、彼の力にはなれない。

夜明け。石原絵梨花はほとんど眠れないまま目を覚まし、くしゃくしゃの髪をかきむしってから、気だるげに階段を下りてキッチンへ向かった。

冷蔵庫を開け、冷えたコーラを一本取り出すと、そのまま半分以上を一気に流し込む。ようやく頭の靄が薄くなった気がした。

このコーラだって、早山恵也が来るようになってから...

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