147.木村爺さんが西京市へ帰る

7組で、安田莉子は石原絵梨花が戻ってきたのを見るなり、肩をすくめるほど緊張して訊いた。

「絵梨花……石原七緒と、揉めたの?」

石原絵梨花は自分の席に戻って腰を下ろし、何でもないように返す。

「別に。心配いらない」

「ほんとに?」

「うん」

安田莉子は小声でぶつぶつ言った。

「でもさ……あの呼び止め方、どう見ても『何事もなく終わりました』って感じじゃなかったけど」

石原絵梨花はスマホを取り出し、画面を開きながら淡々と答える。

「もう、私に構ってる暇ないよ」

「なんで?」

安田莉子は好奇心に負けて身を乗りかけたが、絵梨花がスマホを見ているのに気づいて、視線を引っ込めた。机の...

ログインして続きを読む