152.石原絵梨花に頼らない

多くの人にとって、この夜は眠れない夜になる。

そして、いま石原家にいる石原七緒にとっては――なおさらだ。

七緒は放課後に帰宅するなり二階へ駆け上がり、自室にこもってしまった。石原聡美がどれだけ呼んでも、返事ひとつしない。

頭の中はぐちゃぐちゃだった。午後、白崎誠也が石原絵梨花のために車のドアを開けたこと。絵梨花がそのまま彼と同じ車に乗り、同じ建物へ上がっていったこと。映像みたいに何度もよみがえって、考えるほど胸がざわつく。

しまいには手元のものを放り投げ、七緒は勢いよく立ち上がると、ベッドへ飛び込んだ。布団を頭からきっちりかぶり、まるでそうすれば、見たくない現実から逃げられるみたいに...

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