177.彼女の血

石原絵梨花の話を聞き終えて、富山由紀はしばらく言葉を失った。胸の奥に、じわりとした感情だけが残る。

「てっきり……華国に戻ったら、もうああいう面倒からは解放されると思ってた。なのに、前より背負ってるものが増えてるじゃない」

石原絵梨花は一瞬だけ視線を落とし、静かに息を整えてから口を開いた。

「……石原家に籍を置いてるのには、もう一つ理由がある」

「なに?」富山由紀が即座に食いつく。

富山由紀の前で、石原絵梨花は隠す気もなかった。

「前にあなたがくれた資料、調べた相手って木村爺さんだったでしょ。あの人、疑わしい点が多い。資料だと……十八年前、木村爺さんは赤ん坊を連れて陽城を出てる。...

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