018.君もけっこう不幸だね

すぐに安田莉子は思い知った。石原絵梨花が言っていた「大したことない」は、大げさに言ったわけでも、遠慮して言ったわけでもなく――文字どおりの意味だったのだと。

翌日の数学。鈴木は怒りをあらわにしたまま分厚いプリントの束を抱えて教室に入ってきた。新しい内容の説明も、前に解いた問題の説明もなし。いきなりの抜き打ちテスト。

名門の三高といえど、夏休みを毎日勉強漬けで過ごす生徒ばかりじゃない。

そして都合の悪いことに、夏にあまり勉強していない連中が、だいたいまとめて7組に集まっていた。

「テストするぞ」

その一言で、みんなの顔色が一斉に死んだ。

夏にサボって、抜き打ち。――詰みである。

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