180.黒歴史

富山由紀はさっき入ってきたとき、松岡友希の顔がどこか見覚えある気がして、つい二、三度目を留めただけで、それきり気にもしなかった。

彼女にとって、松岡友希がどれほど顔立ちも雰囲気も優れていても、これほどの男性は今まで何度も目にしてきた。目を奪われるのは一瞬、すぐに冷静さを取り戻す。

――ところが。

木村爺さんと話している最中、ふと目に入った石原絵梨花と松岡友希のやり取りに、富山由紀の目がじわじわと輝きだした。

……おいおい。石原絵梨花が誰かに対して、こんなに当たりが柔らかいところ、見たことないんだけど?

富山由紀はすかさず口を挟む。

「ハニー、この人だれ? まだ紹介してくれてないじ...

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