191.人を探してくれ

石原絵梨花は、もう705号室に行く気になれず、こくりと頷くと、青ざめた顔のまま富山由紀の手首を掴んで踵を返した。

引っ張り出されたと思ったら、今度は引っ張り戻される。富山由紀は状況が飲み込めないまま、声を潜めて言った。

「ハニー、これって……バレた?」

石原絵梨花は無表情のまま。

「見りゃ分かる」

少なくとも、松岡友希の前では。

――やっぱり。松岡友希は誤魔化せる相手じゃない。

松岡友希は石原絵梨花に続いて個室へ入ると、彼女が用意していた機材を一目見て、口元だけで笑った。

「なるほど。こっちも“連れ”がいるってわけか」

石原絵梨花は一瞬きょとんとした。

席に着いてから、よ...

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