204.当時、彼女は最終的に諦めることを決意した

その言葉が落ちた瞬間、宮城晃は固まった。

青木裕太も、勢いよく首をひねって石原絵梨花を見る。顔には隠しようのない驚愕。

宮城晃は短い硬直のあと、ぱっと目を見開き、確かめるように探りを入れた。

「……大物?」

石原絵梨花は小さく頷き、淡々と言う。

「あなたが送ったメッセージ、見た。行こう。ここじゃなくて、落ち着いて話せる場所で」

「……っ!!」

宮城晃の背筋に電流が走った。

だから、どこかで見たことがある気がしたのか。

五年前、初めて“大物”を見たとき――相手は黒いダボっとした服に身を包み、帽子を深く被っていた。輪郭は曖昧で、顔も半分以上隠れている。見えていた部分だけが妙にく...

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