044.ほう、これは大変だ

月例テストが目前ということもあり、福原優奈たちは寮に長居せず、夕食を済ませたらそのまま教室へ戻って夜間自習に入るつもりで、早々に引き上げる準備を始めた。

安田莉子は、まだ本を開いたままの石原絵梨花を見て声をかける。

「絵梨花、まだ残る? それとも一緒に戻って復習する?」

村上佳奈と福原優奈も鞄を整えながら、そろって絵梨花のほうへ視線を向けた。

理由はよく分からない。けれど彼女たちは知っている。石原絵梨花は渡部岳人のところで妙に自由が利く。絵梨花が「休みます」と言えば、渡部岳人はたいてい許す。だが自分たちが同じことを言っても、まず通らない。

それに、試験前だ。ここで勉強を怠れば、胸の...

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