045.誰が使ったのか調べる

「松岡様……」

そう思いながら、高木政宗は松岡友希に声をかけようとした。

ところが――口を開いたその瞬間。

松岡友希がふいに踵を返し、芸術棟の入口へ向かって歩き出したのだ。

「えっ、松岡様? どちらへ……?」

高木政宗が呼びかけ、慌てて後を追う。

残った面々は顔を見合わせたまま、ぽかんとしていた。ピアノを弾いているだけの相手に、どうして松岡様が興味を示すのか分からない。

しかも木村爺さんが聞いたのはピアノコンクールの話だ。普通なら、松岡様が気にするのはそっちのはず――。

そう思っても、松岡友希を止められるはずがない。数人は慌てて後ろに連なり、重要な情報を取り逃がすまいと、こそ...

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