063.どこかおかしい

電話を切ったあと、石原絵梨花は眉をひそめたままパソコンの画面を睨みつけ、スマホでもう一件メッセージを送ってから、ようやくノートパソコンを閉じた。

まだ時間は早い。水園に残る気にもなれず、さっさとタクシーを拾って学校へ戻る。

ちょうど夜間自習の二限目に滑り込んだ。

安田莉子が彼女を見つけ、目を丸くする。

「絵梨花? この時間に来たの? 休み取ってたんじゃないの?」

いつもなら、絵梨花が夜間自習の一限目にいなければ、その日は丸ごと欠席――そういうパターンが多い。

絵梨花は席に着くと、鞄を雑に引き出しへ突っ込み、淡々と答えた。

「用事、終わった」

「えー……」莉子は絵梨花の顔を覗き...

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