064.ほかに誰が参加しているんだっけ?

三高でもこれまで何度かピアノコンクールは開かれてきた。とはいえ、会場は少し広めのピアノ練習室。審査員と出場者がいて、せいぜい観客が数人――それも出場者の保護者くらい、という規模だった。

そもそも三高が評価されているのは学力であって、芸術や才能の披露に力を入れる学校じゃない。こういう行事に、わざわざ大掛かりな手間をかけるはずがない。

そう思ったからこそ、白崎誠也は石原七緒の頼みを引き受けた。

両親は立場が立場だ。人の多い場所に出るのは何かと面倒になる。だが、ただ見に行くだけのピアノコンクールの見学程度なら、さすがに問題にはならないだろう――そう踏んでいた。

ところが誠也は、まったく想像...

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