065.来るもの拒まず

白崎誠也は、ぽかんとした。

白崎健夫は五歩を三歩で詰める勢いでこちらへ来ると、目を見開いたまま白崎誠也を凝視した。

白崎母は、夫も自分と同じく驚いているのだと思ったのだろう。横から声を上げる。

「まあ……七緒に、お姉ちゃんがいたなんて。私たち、全然知らなかったわ」

白崎誠也は白崎母を見て、それから口をあんぐり開けた白崎健夫へ視線を移し、言いかけた言葉を黙って飲み込んだ。

誰に向けたともつかない声で、淡々と言う。

「石原絵梨花っていう。前に人さらいに売られて、五年……最近戻ったばかりだし、知らなくても普通だよ。たぶん、コンクールに出るのは……好きだから、じゃないかな」

最後の一言...

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