089.もしあのときあなたを助けたのが石原絵梨花だったら?

翌日、石原絵梨花は朝早く学校へ行った。

安田莉子が彼女を見つけるなり、切羽詰まった様子で駆け寄ってくる。

「絵梨花、知ってる? 石原七緒、今日学校に来てるんだよ!」

石原絵梨花は「ふうん」とだけ返した。

安田莉子は目を丸くする。

「……え? 絵梨花、あの子、家にいるんじゃなかったの?」

絵梨花の表情がすっと薄くなる。投げやりに言った。

「放っとけばいい」

安田莉子は言いかけて口をつぐみ、絵梨花の横顔を見つめた。石原家の人間関係を思い出したのか、何かを察したように長く息を吐く。

ほどなくして、7組の生徒がぞろぞろと揃い始めた。

白崎誠也と岩本旭が最後に教室へ入ってくる。二人...

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