095.木村のじいさんに何かあった

その言葉を聞いて、石原七緒は振り返り、中田雪子を見た。

中田雪子は、七緒の黒々とした視線に射抜かれて、どこか後ろめたくなる。顔をそむけたまま言う。

「……もう、こうするしかないのよ。あなたのお父さんとお母さんにも話したけど、反対された。でも、あの人たちと石原絵梨花の関係があそこまで拗れてるなら……たとえ向こうから頭を下げに行ったって、絵梨花は相手にしないと思うの」

「……それで?」

石原七緒は、ふっと笑いそうになった。あまりに馬鹿げている。

中田雪子は続ける。

「だからね、七緒。あなたが絵梨花のところへ行って、ちゃんと説得してきて」

石原七緒は、底の見えない目で中田雪子を見つめ...

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