第7章
海水の潮臭さとエンジンオイルの鼻を突く異臭が混ざり合い、鼻腔を満たしていた。私の下で、甲板が激しく揺さぶられている。
「起きなさいよ!」髪を鷲掴みにされ、上半身を強引に引き起こされた。里奈だ。
「あんたって本当にしぶといわね、この薄汚い盲目が!」彼女は金切り声を上げた。
「あの小便臭い施設で大人しく死んでいればよかったものを。なのに――あんたは全部台無しにした。悠真と私がS市で築き上げたものを、全部ぶち壊したのよ!」
私は何も答えず、ただ痛みに喘ぐことしかできなかった。耳に届くのは、周囲に打ち付ける太平洋の荒波の音だけ。自分がクルーザーに乗せられているのは分かっていた。おそらく、...
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