第7章

 聴取を終え、九条さんは私を病院へ連れて行ってくれた。

「本当にごめんなさい。電話をした時、まさか犯人がすぐ隣に座っていたなんて」

 私は彼女に向けて微笑んだ。

「気にしないでください。駆けつけてくれたこと、感謝しています。それに、私を庇ってくれたことも」

「あ、聞こえてた?」

 彼女は少し決まり悪そうにした。

 ええ、聞こえていた。

 203号室にいた時、一人の男性警官が私を注視している気配を感じていた。

 彼は知らないのだろう、私が他人の視線に敏感であることを。

「あの盲目の女、おかしいと思わないか」

 彼は声を潜めて言った。

「隣に殺人犯がいるとわかっていて、なぜ...

ログインして続きを読む