第107章

翌朝9時。吉崎直子は一人で盛華科技のビルを訪れた。

オフィスで待ち構えていた彼女の姿を見た佐藤明広は、眉間にしわを寄せる。目には露骨な苛立ちが滲んでいた。

直子がバッグから書類を取り出した瞬間、その苛立ちは頂点に達する。吐き捨てるような口調になるのも、無理はなかった。

「吉崎様、こちらの話は十分にお伝えしたはずです」

「盛華と林原グループの協業は、すでに終了しています。わざわざ――」

「佐藤様、まずはご覧ください。約束しましたよね。私がご納得いただける案を出せたら、拒めないって」

吉崎直子は動じないまま彼を見据え、タブレットを机上に置く。核心となるコンセプトページを開いた。

佐...

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