第114章

その言葉が落ちた瞬間、会場のあちこちで視線が揺れた。

ここにいる大半は、ネットの煽り立てる世論に頭を焼かれ、勢いのままに動いてしまった人間だ。

吉崎直子の口から淡々と突きつけられる現実に、誰もがどこか居心地悪そうに表情をこわばらせる。

吉崎直子はその空気の変化を逃さず、唇の端をわずかに吊り上げた。バッグからタブレットを取り出し、画面にグラフと報告書の一覧を表示する。

『皆さんが本当は欲しいのは「答え」でしょう。なら、今日ここでお渡しします』

『これは、プロジェクトの立ち上げから、問題が起きる直前までの進捗報告と資金の流れです。すべて、1円単位まで記録されています』

そこまで見せ切...

ログインして続きを読む