第138章

すべては一瞬の出来事だった。

残る3人のボディガードは目の前の光景に顔色を変え、互いに視線を交わすと、どっと一斉に襲いかかってくる。

その動きを視界の端で捉えた吉崎直子は、目を細めた。冷えた光を宿したまま、身体をひねって正面から迎え撃つ。

次の瞬間、彼女の身体がふっと軽く沈み――弾けるように前へ出た。

一瞬で先頭の男の懐。

無駄のない払腿が床を薙ぎ、男は「ぐっ」と息を詰まらせて倒れ込む。

一人を落とした直子は、そのまま低く身を屈めた。右から飛んできた拳が頭上を空振る。

すれ違いざまに腕を掴み、返す刀で手刀を頸動脈へ叩き込んだ。

男の視界がすっと暗転し、力なく崩れ落ちる。

最...

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