第148章

急いで飲み下そうとしたせいか――あるいは、羽島喜太郎の胸の奥に沈殿した悲しみが喉に刺さって、どうしても飲み込めなかったのか。

彼は派手にむせ込み、げほっ、げほっと咳き込んだ。肩を震わせ、ひどくみっともない姿になる。

『せ、先生……大丈夫ですか?』

隣から、怯えた声がした。子猫みたいに、軽くて、柔らかい。

だが羽島喜太郎に、そんな声を慈しむ余裕はない。いまは苛立ちで頭がいっぱいだった。

顔を上げ、叱りつけようとして――その瞬間、彼は彼女の顔を見た。

すっと通った鼻筋。きゅっと結ばれた唇。

そして、小鹿みたいに澄んだ瞳。意地と芯の強さが、そこに宿っている。

――吉崎直子に、七、八...

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