第173章

『羽島浩介は堂々と彼女を守れるのに、おまえはここで無様に吠えるだけ。それで何の役に立つ?』

『本当に役に立つっていうなら、吉崎直子を奪い返してみろよ。自分のところへ連れ戻してみせろ!』

その言葉が落ちた瞬間、羽島喜太郎の顔はさらに醜く歪み、両手がぎり、と拳を作った。

『おまえ……』

『できないんだろ? 叔父さんに睨まれただけで、何も言えなくなるくせに!』

『吉崎直子の目にも心にも、もう羽島浩介しかいない。二度とおまえなんか見ない。おまえ、何様のつもり?』

吉崎由紀は言えば言うほど、瞳の奥の嘲りを濃くしていく。

『本当のこと言ってやる。あんた、私に八つ当たりする以外に何ができるの...

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