第177章

 そう言うと、男はくるりと身を翻し、見下ろすように吉崎直子を見据えた。まるで戦利品でも品定めするみたいな目。

『俺のところへ戻れ。それが、おまえの唯一の選択だ』

 羽島喜太郎の、その上から押しつけるような口調に、直子は鼻で笑った。

『羽島喜太郎。言いたいことは、それで終わり?』

『……なんだ。やっと分かったか?』

 勝利に酔い切った顔に、にやりと笑みが浮かぶ。

 だが次の瞬間、少女は冷たく鼻を鳴らし、言葉を一つずつ叩きつけた。

『寝言は寝て言え』

『……てめぇ!』

 喜太郎の笑みが凍りつき、瞬く間に怒りへ塗り替わる。

『吉崎直子、調子に乗るなよ。飲めない酒を無理に飲まされ...

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