第178章

『西区の化学工場で主犯のリチャードを確保しました。すでに、吉崎由紀と私的に連絡を取っていた件について、初動の供述も取れています』

『加えて、通信記録、送金の証憑、現場の証言も揃っています』

『ですので――吉崎由紀さん。こちらへ同行してください』

その言葉が落ちた瞬間、吉崎由紀は身体から力を抜き取られたみたいに、ぺたりと床へ崩れ落ちた。信じられない、と顔に書いてある。

『……ありえない。ありえない……あの人、言ってた……わたしには火の粉はかからないって……』

その一言は、羽島喜太郎の頭上に雷を落とした。まさか本当に関わっていたなんて。血の気が引き、顔がみるみる青ざめる。

『吉崎由紀...

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