第179章

その言葉が口をついて出た瞬間、吉崎直子の耳の付け根がかっと熱くなり、頬まで一気に赤く染まった。

『……あなた、起きてたの……? だったら、なんで目を開けないの?』

『もう少し、君の本音を聞いていたくてね』

男は目尻に笑みを浮かべる。

『それに――嬉しい。ようやく、君の心の中に入れたんだって』

そう言うなり、羽島浩介は直子の手をぐっと握り返した。指先まで包み込むような、やけに優しい力。

『この瞬間を、ずっと待ってた』

『直子。今の言葉、もう一回言ってくれない?』

名前を呼ばれただけで、直子の顔はさらに真っ赤になる。羞恥に耐えきれず、ぷいっと横を向いた。

『……夢見てなさい。わ...

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