第24章

吉崎直子が問い終えると、エレベーター内はふっと静まり返った。

羽島浩介は口元をわずかに吊り上げ、底の見えない笑みを瞳に浮かべる。

「俺が、君を傷つける目的でもあると思う?」

そう言いながら、彼は一歩、また一歩と距離を詰め、吉崎直子の目の前で止まった。軽く身を屈め、そのまま耳元へ。

温かな息が耳朶をかすめる。――耳たぶに触れられたのでは、と錯覚するほど近い。

吉崎直子の全身が強張った。

「……何してるの?」

羽島浩介の淡い気配が、肌に落ちる。

「君と友達になりたい。友達同士って、互いに面倒を見るもんだろ? ……そう思わない?」

吉崎直子は瞳をわずかに見開き、反射的に彼を押しの...

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