第47章

ほどなく取締役会の開始時刻になり、白石謙介は吉崎直子を連れて会議室へ入った。

直子に用意されたのは、室内の隅の席。目立たない場所ではあるが、全体を見渡すには十分だった。

最初に姿を見せたのは白石謙介だ。席に着くや否や、株主たちが次々と入ってきて、恭しく挨拶を交わしていく。

――が。

彼らの視線が、少し離れた隅に座る少女へ向いた瞬間、空気が微かに歪んだ。表情が変わる。ざわり、とした気配が走る。

直子は、品よく小さく頷いて応じるだけだった。

ほぼ全員が揃った頃、廊下からカツカツとヒールの音が近づいてくる。

次いで、勢いのある女が扉口に現れた。

「叔父さん、この財務資料まとめておい...

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