第49章

白石夢子は、吉崎直子の存在など一瞬で頭から追い払い、ぱっと目を輝かせた。

聞けば、オークションの席は自由らしい。

なら、早めに会場入りしておけばいい。羽島浩介が来たら、その隣を確保する――。

「もういい、もういい! あたしドレス選びに行く! 吉崎直子のこと見張ってて、社内で好き勝手させないでよ!」

そう言い捨てると、夢子はくるりと踵を返し、さっさと行ってしまった。

吉崎直子がグループの案件を片づけ終えた頃には、すでに退勤の時間だった。

白石崇介が彼女を引き止める。

「ここで一日中見てたんだろう。うちの会社、今かなり問題が多いんじゃないか?」

吉崎直子は一拍置いた。

「問題は...

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