第67章

「お、お兄さんが、その……」

林原寧月は林原玄也をかばおうとしたものの、筋の通る言い訳なんてひとつも出てこなかった。

まさか林原玄也がここまで愚かだとは思っていなかったのだ。表向きは謝りに来たくせに、裏ではまだこんな真似をしているなんて。

吉崎直子は袖をまくり、パソコンの前に腰を下ろすと、十数秒ほど淡々と操作した。

さっき消えたはずのデータが、すべて元通りに復旧する。

林原寧月は、何をどうしたのかさえ見抜けなかった。ただ、吉崎直子がさらに数回キーを叩いた次の瞬間、ひとつのIPアドレスを特定したのだけは分かった。

そのまま追跡をかけ、さっき彼女のパソコンのデータを破壊したハッカーを...

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