第99章

切れ味鋭い一手に、会場の空気が一斉に凍りついた。誰もが思わず、ひゅっと息を呑む。

まさか――吉崎直子が、ここまで容赦なく、ここまで迷いなくやるとは。

表向きは冷ややかで、か細く見える女。けれど手を動かした瞬間、そこにいたのは躊躇の欠片もない、切断するような決断力だった。想像の範疇を軽々と飛び越えてくる。

とりわけ羽島浩介は、瞳孔をきゅっと縮めた。今にも踏み出しそうになりながらも、直子が完全に場を掌握したのを見て、衝動を押し殺す。残ったのは、刃物みたいに冷たい目だけ。

一方、吉崎直子に動きを封じられた大宮海人は、瞬時に取り乱した。

身体をむちゃくちゃに捩り、全身の力で吠え散らかす。口...

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