第105章 絵は描けないかも

 翌朝、葉山ゆうが目を覚ましたときには、枕元はもう空だった。

 空気の中には、まだ男のひやりとした香りが残っている。

 時間を確認して、彼女は目を丸くした。なんともう10時だ。12時間も眠っていたことになる。しかも、北条寒生の腕の中で。

 彼の腕は硬くて寝づらくなかったのだろうか。いや、それより彼のほうこそ、一晩じゅう腕枕をして、しびれなかったのだろうか。

 ベッドサイドの棚には、保温ポットがひとつ置かれていた。開けてみると、お粥だった。

 葉山ゆうは、思わず苦笑する。

 あの人……

 彼女がお粥好きだからって、毎回お粥にしなくてもいいのに。

 そう思いながらも、結局はスプー...

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