第119章 一晩中つらかった

 葉山ゆうは、ひどく深い眠りに落ちていた。夢もいくつも見た。

 目を覚ますと、もう外は明るい。夏の終わりの風が白いカーテンをそよがせ、花の淡い香りを部屋へ運んでくる。

 真っ白な壁の時計は、朝7時を指していた。

 昨日の午後から今朝まで、ほとんどぶっ通しで眠っていたことになる。我ながら、よくもまあここまで眠れたものだ。

 頭の下には、男の腕。

 もう片方の腕は彼女の腰に回されていた。独占欲をそのまま形にしたような抱き方なのに、力は強くない。

 ほんの一週間前までなら、葉山ゆうはこんなふうに触れられるだけで強く拒んでいたはずだ。けれど今は、胸いっぱいに広がる安心感がある。むしろ、少...

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