第132章 火災

「バンッ!」

ドアが閉まる音が車内に響いた。

葉山ゆうは肩で息をしていた。

北条寒生は前だけを見据えたまま、冷えた声に苛立ちを滲ませる。 「きっかり8時だ。最後の1秒まで粘るなんて……そんなに名残惜しいのか?」

「なんで来たの?」葉山ゆうは小さく息を吐きながら言い返した。松本特別補佐だけが迎えに来ると思っていたのに。 「時間なんて見てないし。さっきまで加島お嬢さんと一緒だったの。彼女もお見舞いに来てて」

葉山ゆうはむっと鼻を鳴らした。心臓がまだばくばくしている。落ち着かないまま続ける。 「加島お嬢さん、あなたの車を見つけて挨拶しに行こうとして……私が適当な口実つくって連れてって、ひ...

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