第135章 名前を教えてください

夏の終わりの天気は、気まぐれだ。

一時過ぎ、葉山ゆうが出発したときは雲ひとつない青空だった。ところが、車で半分ほど走ったところで、いきなりバケツをひっくり返したような豪雨に変わった。

ワイパーが狂ったみたいに左右へ振れ、フロントガラスの向こうは白く滲んでいく。

ゆうは速度を落とした。

そのまま慎重に進んでいると――ぷつん、と。

車が息をするのをやめたみたいに、エンジンが止まり、ハンドルの感触も重くなる。

ゆうはキーを何度かひねった。けれど、うんともすんとも言わない。

子どものころ、家の隣に車の修理屋が住んでいて、簡単な対処ならいくつか教わったことがある。ゆうは大雨の中へ飛び出し...

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