第140章 かつてない感覚

 耳は、葉山ゆうがいちばん敏感な場所だ。ふだんでも北条寒生が少し近づいたり、ふっと息を吹きかけたりするだけで、彼女はたちまち緊張して全身を震わせる。まるで感電したみたいに、ぞくぞくと痺れてしまうのだ。まして、そこへ直接キスなんてされたら、もうひとたまりもない。身体じゅうの力が抜けて、水みたいにとろけてしまう。

 首をすくめ、耳ごと肩の中へ隠してしまいたいような仕草。

 「えっ、や……やめ……」

 葉山ゆうは顔を背け、声まで震わせた。

 「私、熱あるの」

 「今さら自分が熱出してるってわかったのか?」

 北条寒生はくつりと笑った。名残惜しさを滲ませながらも、彼女を放してやる。これ以...

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