第149章 平手打ち

だが葉山ゆうは、必死に自分を押しとどめた。逃げない。ひとつ深呼吸して立ち上がり、上月星の熱を帯びた視線をまともに受けないようにしながら、前へと歩き出す。

「林田青子さんのプロジェクトは、私たちのチームが担当しており……」

声がかすれていた。泣き明かした喉は、言葉をひとつ吐くたび、石でこすられるみたいに痛い。

いったん言葉が途切れ、身体が小さく震える。

何事もなかったふりで、上月星と同じ会議室にいる。それが、ゆうにはあまりにも難しい。心は、まだそこまで強くなれない。

胸の内に渦巻く恐怖と怒り。荒波みたいに、絶えず心臓を叩く。

数秒、息を整え、続けた。

「作業は主に……」

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