第157章 ヤンキー

加島家。

「彼はもうリゾートを出た。疑われてはいないな?」

加島敏はピアノの前に腰を下ろし、片手にスマホを持ったまま、もう片方の指先でぽろん、と鍵盤を鳴らす。

つややかな黒髪が肩を流れ、すっと通った鼻筋に白い肌。佇まいは端正で、どこか気品がある。

「はい。北条様が監視カメラの映像を確認されて……見終わった瞬間、スマホを投げつけました。そのまま夜通しでA市へお戻りです」

「そう。引き続き動きを追って。何かあればすぐ報告して」

通話を切り、スマホを脇へ置く。加島敏は軽快な曲を弾き始めた。

弾き終えると、背後からぱちぱち、と拍手が響く。

加島欧が部屋に入ってきた。

少し肌寒い季節...

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