第161章 最初の一人

 北条峰の気性からすれば、今この場で二人まとめて始末してしまいたいところだった。後腐れを断つためにも。

 以前、葉山ゆうの尾行に回した人間は、ことごとく消された。今こうして情報を拾えているということは、もう北条寒生は彼女に構っていないのだろう。殺したところで、大した問題にはなるまい。

 言葉は喉元まで出かかったが、北条峰は考えを変えた。

 「いや、まだだ。引き続き見張れ」

 今のところ、北条寒生の出方が読めない。さすがに軽々しく手は出せなかった。できることなら、北条寒生自身の手で片をつけさせるのが一番いい。

 どうせ、あの雑種が生まれるまでならまだ時間はある。急ぐ必要はない。

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