第171章 どうか許してくれ

葉山ゆうは俯いたまま、これ以上ないほど姿勢を低くしていた。両手でバッグのストラップを縋るように握りしめ、掌は冷や汗でぐっしょりだ。

こんな屈辱、今まで一度もなかった。

目の奥がひりつく。浅く息をして、涙だけは落とさないように堪える。

「十九歳にもなれば法的責任は十分に負える。まだ分別がないというなら、私が直々に教えてやる。人として、な」

男の眉目は凍てつくほど冷酷で、吐き出される一語一語――語尾の余韻にまで、底冷えする刃が宿っていた。

葉山ゆうの心は、波のように冷えていく。唇をさらに強く噛んだ。

葉山明が起こしたことだ。相手が和解しないと言うのなら、それでも当然だ。けれど葉山明は...

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