第185章 待つことは甘い苦しみ

反対の声ばかりが飛び交う。葉山ゆうは何も言い返せなかった。彼らの言い分は、どれも正論だったからだ。

経歴で言えば、彼女がいちばん浅い。しかも北条グループに入ってからというもの、仕事運だけはやたらと良くて、妬まれないほうがおかしい。まして加島グループのホテル――あれほどの大型案件だ。利益も桁違い。誰だって自分の手柄にしたい。

頭の奥が、まだふわふわする。

「私が仕事でいちばん嫌うのは、縁故です。見るのは実力だけ。どのデザイナーにも肩入れしません」

風見清子の声は、澄んでいてよく通った。

「納得できませんね。なんで彼女なんです?」

風見清子は口元をつり上げる。凛として、目を奪うような...

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