第190章 ちゃんと思ってて

夜。

デスクの前に、背の高い影がひとつ。

北条寒生はシャツの袖を肘までまくり上げ、モニターに並ぶ数字を睨むように追っていた。鋭く研ぎ澄まされた視線は、どんな小さな違和感も見逃さない。

「トントン——」

控えめなノックが二回。

「まだ忙しい? わざわざ作ってきたの。食べてから続きにしなよ」

葉山ゆうが器を抱えて入ってくる。

「ん」

北条寒生は彼女の腰を引き寄せ、そのまま膝の上に乗せた。腕の中に囲い込んだまま、指先はノートパソコンの上で止まらない。

それを見て、葉山ゆうが言う。

「じゃあ、私が食べさせてあげる」

スプーンを手に取り、ひと口ずつ、ゆっくりと彼の口へ運ぶ。時折テ...

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