第206章 彼女が避けている人

葉山ゆうはカップを手に、給湯スペースでお湯を注いでいた。

少しずつ寒くなってきて、あの男に「毎日、白湯を飲め」と念を押されている。

頭の片隅では、デザイン案のことをぐるぐる考えながら。

「危ない、水はねるよ!」

切羽詰まった声と同時に、横から伸びた手が給水機のレバーをさっと押さえた。

「ゆうちゃん、やけどしてない?」

江口怜子が心配そうに覗き込んでくる。

その過剰なくらいの親切な視線と真正面からぶつかった瞬間、葉山ゆうの背中にぞわっと鳥肌が立った。小さく首を振る。

「大丈夫です」

「コーヒー飲む? 私が挽いて淹れてあげようか。すごくいいX国のホワイトコーヒー豆があるの。友だ...

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